揺れる心の錬金術師のブログ♪
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年年歳歳花相似、歳歳年年人不同…だたかな
悠々自適
さて、メンテ中&A型インフルエンザでまた会社を休む羽目になったおいらが思い立ったことを書いてみる。


今年に入って、隠密行動をすることになり自分のペースで何事も動けるようになって一安心している。
また、忙しかった仕事も山場を超えたか少し落ち着きだし、今月末に部署転換があるために負担が軽くなるが、来月から早出当番が復活…。まぁ、今の状況を維持しつつモチベーションの低下を防ぐよう動いてみる。

サブマスである以上、インしているとギルメンさんに気を使ってしまうのはもはや習性としかいいようがないために、垢ハックされてもなおマビを続けると宣言した柚子風呂ギルマス…現柚子屋旅館サブマスの志を汲み、隠密行動ではあるが放置していた近接サブをヴァーリャに続く4人目のアクティブキャラとして動かし始めた。
ギルマスにも言ったが、貴女はまさに鳥羽・伏見の戦いで敗れ江戸に下ってきた新撰組副長・土方歳三だ。ここで甲陽鎮撫隊になって下総・流山で捕まり斬首された近藤勇になるか、それとも会津・蝦夷に逃れ誠の旗を打ち立てた土方歳三になるかだぞ!と言って励ましたが、やはり気になりおいらをフランス軍士官ジュール・ブリュネと例えた立場、気にはなって初級累積近接キャラをギルドに入れてもらって身分を伏せて窺っているが・・・枠いっぱいに元柚子風呂メンバーが入ってくれたことは前ギルマスとして嬉しい限りである。志茂田景樹の大逆説シリーズの『大逆説!戊辰戦争』での北越平野に誠の旗をはためかせて現れた洋式軍装で身を固めた騎馬隊の新撰組を見る思いがあった。会津に屯所を置き局長・土方歳三、副長・沖田総司、副長助勤・永倉新八・原田左之助・大石鍬次郎で立ち上げた新撰組…その絵が思わず蘇って胸に熱いものがこみ上げたのは言うまでもない。柚子風呂をなんとか一丁前に仕立て、柚子を去ったおいらだけど、ふるさとのギルドがなくなるのは忍びないという考えは、流星ギルマスも同じだったようだ。

名を残しギルドを盛り上げたら身を引く、これが当初からの考えだっただけに垢ハックによる柚子風呂消滅は残念だったが、新たなギルドで元いたメンバーもこぞって参加してくれたのは嬉しい。ただ、キャスタリア再び戻る!ということでギルドが盛り上がるのは望まない事であるので、柚子屋ギルマスサブマス、流星ギルマス、獣武ギルマスとマビ嫁殿にのみ、正体は打ち明けている。ギルメン同士で盛り上がっているようではあるし、おいらもサブがある程度落ち着いたら再び流星に戻ってギルド運営の助力とネゴジエーターとして、獣武の様子も窺いながらまたブリュネとして遠くからサブキャラの目を通して柚子屋の様子も見ておこうと考える。

演奏会はタマクソロ演奏会をまずぶちあげる。とある人は個人演奏会はどうだこうだと言っておられた気がするが、ジャイアンリサイタルでもあるまいし自分が作ったMMLを演奏するのに人からどうのこうのというのは大いに疑問を感じる。聞きに来るのはお客さんだ。来なければ来なければで考えを改める。既成概念にとらわれて新たな動きを封じることはおいらが断固粉砕してみせる。みんながしているからやらない?笑わせるな!大笑いしながらそれをやってみるさ!!いろんな意味で型破りをしてみせる、それがソニックであると信じているし、それに共鳴する人だけ来てくれればいいと考えるし、異を唱えるならいつでも抜けてもらって結構。声だけはかけるけどね。去る者は追わず、来る者は拒まずの姿勢を通すつもりだ。ソニックに対して好感を持って接してくるなら快活に応じるが、疑念を持って接するものにはドライな対応を示す。アート・オブ・ノイズ10箇条にあった言葉を引用したが、これでいいと思う。こちらが気を使っても相手はつゆ知らず・・・な事も多いし。企てに前向きなマンバーだけ集める、足りなければ足りないなりに縮小するし、手はいくらでも打つ。ネゴジエーター面目躍如とはこのことよ。私がいるから、俺がいるからという人は即座に退場願う。クールにそしてドライに、でも情に厚いソニック主催者だけどね。

まずはサブのメインストリームをこなして、サブエルフの商人転生、そして生産三昧によるDEX底上げ。キャスも先日の柚子屋メンバーのPTH修練で話の話題になった魔法師でありながらエンチャEって( ゚ω゚ ) を契機に、キャスのエンチャ上げもスタートする。素材は投げることはなくなるが、Dや影エリート、メインストリームのお誘いで交友関係を強化していく。ぴあのは砂掛け&防護壁マスタートレをしながら、合成上げや分解・金属変換上げを狙う。しばらくはアコースティック・アルケミスト(笑)としてスパークはお預けかな。自分のやりたいことをゆっくりする。そして、sailorstarsのギルマス…断然応援する!

先週やっと初詣に行ったし、いよいよおいらも動き出すよ!インフル休暇、あざーっす\(^o^)/
来年の方針!
誰も見ていないという前提で、箇条書きっぽく書いてみる。

まず流星ビバップ&獣武。

流星ビバップはサブマスで、獣武はギルメンとしてお世話になっている身だけどこれの交流に大いに力を注ぎたい。どちらも過疎気味なギルドだけど、盛り上げようという意気込みは大いに感じられるし、動きもある。ただ、惜しむらくはゲーム自体が過疎気味なのが悔やまれる。ならば、おいらの来年の目標『流星ビバップ・獣武のネゴシエイターたる存在になる!』でもあるので、この2ギルドの橋渡しをしつつ、互いのギルドを盛り上げていくことを主眼に置く。流星ビバップはこれからのギルドでもあるし、獣武もギルマスのインが安定していれば盛り上がるギルドとして大いに盛んになるが、サブマスの復帰が望まれる。主軸はあくまでも流星、そして獣武とする。獣武なくして流星あらず、とまではいかなくても互いのギルメンが声をかけやすい環境に持っていくことはおいらの望むべき姿でもある。

柚子風呂に関しては、多少なりとも距離は置くもののネゴシエーションは継続するものとする。特に重点を置くは、SMPメンバー以外のギルメン達との活発な交流による掘り起こし(引き抜きは論外)とする。また、ギルマスが垢ハックされている可能性を鑑み、ドラスティックな動きにも十分注意を払うこととする。柚子メンバーにも流星・獣武メンバーとの交流の機会を持たせ、上記2ギルドほどではないが、交流することを願うものとする。

新ギルド。
これはヴァーリャがハード累積到達時に行動を起こすと考える。サブマスをヴァーリャに交代させ、ぴあのを新ギルドギルマスに据える。その際は流星・獣武との緊密な連絡を要すること。設立時、タマクさんと要相談の事。

流星ビバップにおける立場
来年は『エゥーゴにおけるブレックス准将とクワトロ・バジーナ大尉、クワトロ・バジーナ大尉とアポリー&ロベルト』というスタンスを堅持する。また、ネゴシエイターとして徹底した裏方に回ってギルハンやイベ企画にアグレッシブに動く。ギルマスを前面に押し出して、傍に控える。これは獣武でも同じ事であると考える。サブマス不在の折は、控えめながらも獣武メンバーとしてギルハンの企画など積極的に申し出る。

来年はリアル多忙が尾を引くのは確実で、明らかにインできないことが多くなると思われる。疲労によるモチベーション低下、それに付随するネガティヴ思考が危険なので、イン率を減らしてでもモチベーション維持を図るとする。演奏会はソロ演奏会もあり、メンバーの雰囲気を見ながら開催日を検討する。年3〜4回のペースが負担にならず最良と考える。

最後に、積極的に外部の人と交わり交流を持ち人脈を増やすことも重点に置く。分を弁えつつも、積極的に交流をもつ手段を模索するものとする。

表舞台からは出来るだけ現れないようにしつつ、裏方で暗躍する。これを来年の指針とする。新規の交流を重視しつつも古くからの交流も疎かにしないよう十分注意を払うこととする。特にSMPメンバーに対しては留意すること。古い交流あっての現在があるということを頭にいれること。

来年は、流星ビバップ・獣武・柚子風呂・もらした4ギルド合同イベント開催もある。ネゴシエイターという立場を意識した行動を取るように心がけること!とする。

マビノギ小説 Passion Play 〜あるミレシアンの手記より〜 第8話
第8話 Division Bell Guild 〜運命の鐘ギルド〜

 オースティンはやや緊張した表情になりつつも、ゆっくりとした口調で話し始めた。
「私からのお願いというのは、最近ダンバートン西の露店街に出没する『スケルトン爆盗団』の殲滅をお願いしたいのです」
「『撃退』、ではなく『殲滅』ですか?」
キャスタリアはオースティンから出た意外な言葉を再度質す。
「左様、殲滅で結構です。以前はほとんど出没が無かったのですが、突然ダンバ西の露店街で爆発テロが多発し始めまして・・・。賊は自爆スケルトン(注:スケルトンウィキッド)をローブなどでばれないように潜入させ、頃合いを見計らって自爆。露店街が大混乱に陥ったと同時に北西と南東方面から巨大スケルトンドッグ(注:スケルトンヘルハウンド)に騎乗した小さいスケルトン達(注:ミニレッドスケルトン・ミニメタルスケルトン)が弓による騎馬射撃やスピアによる騎馬突撃で更に混乱に追い打ちをかけ、ラビ方面から現れたスケルトンの集団が金品財宝を強奪するという事が度々起こっているのです」
「スケルトンといえばラビ・・・でも、スケルトンヘルハウンドというたらマスやない!ってゆーことは、ラビとマスを統括するポウォールの指揮官が出てきたんやろか?」
ずっと黙っていたジェラルディンが口を開く。
「冒険者協会のエヴァン、そしてダンバートン聖堂のクリステル司祭の情報では、ラビに上級クラスのサキュバスが着任して、サキュバス戦隊を取りまとめ、ラビ・マス共々動きを活性化させていると聞いています」
「上級のサキュバス!ブラック・レッド・イエロー・ピンク・ホワイトのサキュバス以外に彼女達を取りまとめられる上級ランクのサキュバスがいたとはねぇ・・・」
オースティンの言葉を唸りながら聞き入るキャスタリア。そして何かを考える仕草を始めてあらぬ方向に視線をやりはじめる。
「我々も冒険者協会の協力を得ながらミレシアンギルドに依頼して爆盗団討伐を何度か行っていたのですが、トカゲのしっぽ切りが続きまして・・・」
「本隊をとっちめることがでけへんかった、ちゅーわけですね」
「はい。ポウォールも戦い方を心得ており、我々が進めば奴らは退き我々が退けばポウォールが進むといったイタチごっこが続いておりまして…。その隙をついて別働隊が露店街を襲撃するという事がありまして、我々も手を焼いているのです。爆発テロとその後の騎馬攻撃による人的被害も甚だしく、幸い死者は出ていませんが重傷者が続出し、マヌスのヒーラーの家が一時野戦病院の状態になった事もしばしばなのです」
「聞いてるだけで怒り心頭やで、キャッシー!ウチらでどないかしよ!ラビとマスの骨いてこまして、家賃がロハ(注:只←分解してロハ…タダという意味)になるんやったら一挙両得やない!世の為人の為に働いてウチらもハッピーやし!」
ジェラルディンが黙考を続けるキャスタリアに決断を促す。するとキャスタリアはやおら、
「オースティンさん、盗賊の情報等は冒険者協会にあるのです?」
「ええ、エヴァンがクリステル司祭の協力のもと全力で情報収集を行っている所です」
「冒険者協会か…なら、おいら達もギルドとして行動した方が色々恩恵を受けられるということですね?」
「言うまでもありません。ミレシアンギルドなら、冒険者協会を通じて様々な情報提供などで協力できると思います。それに、現在大多数のミレシアンギルドが影世界のタラで戦闘中ですので、少しでも多くのミレシアンギルドがこのダンバにいてくれる事はダンバートン市民にとって安心できる材料だと思います」
オースティンの言葉を聞いて、キャスタリアの表情が一変した。コール村にいたのんびりした表情ではなく、かつて王政錬金術師として名を馳せていた頃を彷彿させるような顔に一変していた。自然とジェラルディンとルイトガルトも表情が引き締まる。
「ジェラルディン、おいら達のなすべき事は決まったね。まずはギルド結成、そして爆盗団殲滅の作戦を立てる事、そして…念願のカクテルバーゲットだよねっ♪」
引き締まった顔で話し始めたが最後の一言で一転、いつものニコニコパーなキャスタリアの表情になって片目でウィンクしてみせる。この落差にその場にいた全員が目が点になるが、その後4人そろって不敵な笑みを浮かべていた。
「頭取、見込みありとみはったんですね!」
ルイトガルトがすかさず訊ねると、
「無論です。私はアスキン銀行の支店長ですがダンバートンの代表という立場でもあります。それ故に様々な人達と会いますが・・・あなた方は今までにない方々です。珍しく私までが落ち着かなくなってきましたよ」
オースティンが沸き上がってくる興奮を抑えて冷静な口調で応える。
「では、ギルド結成の件はエヴァンに私からも伝えておきましょう。広場の熊退治の鮮やかさを見ていると、あなた方ならこの難問をいとも簡単に解決してくれるような気がします。ダンバートンの市民になり代わってお願いします」
オースティンは真剣な眼差しでキャスタリア達に話す。
「おいら達も果たしてご期待に添えられるかは分からないですが、全力であたっていきます。支店長、何か動きがあれば連絡をお願いいたしますね」
「承知しました」
キャスタリアはオースティンと握手をすると、決意を新たにジェラルディンとルイトガルトを連れて銀行の外へ出た。
「キャッシー、いよいよギルドやな。そして賊退治。ええ感じやでぇ〜」
ジェラルディンはいつもの活気が戻ったダンバートン広場露店街に視線をやりながら、ふーっと深呼吸をするキャスタリアに声をかけた。
「うん!勢いもあったけど、誰かがやらねばならない事だったしね!」
キャスタリアはそう言ってニマッと笑う。そこへ、一人の女性が声を掛けてきた。
「あなた方が・・・先ほど熊退治をされた方々、ですよね?」
「せやで!遠路はるばるコール村から来てくれたんやさかい!よーみときぃや!」
ルイトガルトがその女性にキャスタリア達を紹介すると、女性は何やら紙切れを差し出した。
「はじめまして!私、こういう者です」
その紙切れ・・・リアルでは名刺と呼ばれるものだが・・・そこには
『エリンウォーカー編集部 ダンバートン支局長・ヴァイマル』と書かれていた。
「エリンウォーカー・・・?」
「はい、エリンの各地で起こっている情報を掲載している情報誌なのです。他にも各地域の露店の相場なども掲載している経済誌や、エイリフ軍の作戦進行状況なども知らせる軍事誌も出版していていち早くエリンの現状を手にとるように掴める雑誌を作っている編集部の記者ですよ。私はダンバートン支局長のヴァイマル。あなた方と同じミレシアンです。よろしくです」
そう言ってにっこり笑うヴァイマル。テンガロンハットにライダーススーツという、記者らしからぬ服装だが、話している事は真実であるというのは目を見てすぐに分かった3人。
「今回、あなた方にお声をおかけしたのは、密着取材をさせて頂きたく・・・」
ヴァイマルがそう言いかけると、背後からヴァーリャが声を掛けてきた。
「キャッシー、姉貴(注:ジェラルディン)、ルイちゃん!みんな聖堂にいるからこっちに来てくれ!」
「うん、わかった。すぐに行くよ!ジェラルディン、ルイトガルトさん。お先に聖堂に行っていてくれます?」
「あいよ!あんたもはよきーや!」
「うん!」
ジェラルディンはルイトガルトを促してダンバ聖堂へと向かっていく。
「ごめんなさいね。えーと、おいら達を密着取材・・・って、おいら達は全然問題ないのですけど、これから色々と危険な所に行かなくちゃならないのですよ。そういう状況でも大丈夫ですか?」
キャスタリアの言葉に目を輝かせるヴァイマル。
「取材OKですか!?ありがとうございます!私はエリンのジャーナリストですけどミレシアン錬金術師のはしくれです!自分の身は自分で守れますよ」
「錬金術師さんですか!」
「お恥しながら・・・。あと、スケッチは天賦の才というのでしょうか、素早くきれいに描けるのが取り柄でして。タラのハンス画伯には及びませんが早さなら負けません!雑誌に挿絵を入れるのは編集者としての責務ですし、『百聞は一見に如かず』というリアルのことわざもある事ですしね」
ふふと笑って見せるヴァイマル。
「わかりました、そう言う事ならご自由にどうぞですよ。おいらの名はキャスタリア、よろしくです」
キャスタリアはヴァイマルに握手を求めると、
「こちらこそ、取材許可ありがとうございます!」
と手を差し出すヴァイマル。
「さて、今からギルド結成を行うのですが・・・いい取材になりそうですね!」
キャスタリアがそう言うと、ヴァイマルの表情が変わった。
「なんと!私、今日は本当にラッキーだわ!熊退治の現場に出くわして、熊退治の英雄達がギルドを設立・・・。キャー!」
ジャーナリストの顔になって取材の段取りを始め出すヴァイマルに、
「それじゃ、みんなを聖堂で待たせているので行きますね。聖堂で結成式を行いますよ」
と言い残して、キャスタリアは聖堂へと向かった。

「おかえり、キャスさん!」
リーローがキャスタリアを聖堂の入り口で出迎えてくれる。
「ありがとう、リーロー。後からおいら達を取材する雑誌の記者さんが来るから、その人も中に入れてあげてね」
「姐さん(注:ジェラルディン)から聞いていますよ。それと、熊に吹っ飛ばされた少年。彼もギルドに入れてほしいって言っていましたけど・・・。彼、錬金術師みたいですね」
「!!!!!」
予想外の展開にキャスタリアに笑みが浮かんだ。
「リーロー、これで5人行けない?」
「ギルド結成ですよね・・・あ!いけますね!私、キャスさん、ヴァーリャ、姐さん、そして錬金術師の少年・マイツェル。揃いましたね!」
「オースティン支店長の話はジェラルディンから聞いているよね?」
「ええ、全て聞いています。私もそう言う事なら全力で尽くさせて頂きますよ!それに、クリステル司祭からも、ラビとマスを鎮めて、ダンバートンの安寧を確保してほしいと懇願されていますし」
「だよね!司祭のお気持ち、よくわかるよ・・・」
そう言っていると、ヴァイマルが聖堂内に入ってきた。
「お待たせしました!さ、私には気になさらず続けてください」
息を切らせて入ってきたヴァイマルだが、すかさず聖堂内のスケッチを始めている。
「すごい方ですね・・・」
リーロー、ヴァイマルの取材熱に感心しきりだったがキャスに祭壇に来るように呼ばれてクリステル達が居る祭壇に向かう。
「キャスタリアさん、オースティン支店長のお話は聞かせて頂きました。あなたはダンバートンの災厄を払いのける為にライミラク神が遣わされた神々の御剣・・・いえ、女神モリアンに見初められし祝福されたミレシアンなのかもしれません。それ故、このダンバートンにお越しになられた事も、またこうしてあなたとならどこにでも行ってくださる方々が集まってくる事こそ、女神モリアンの意思なのかもしれません。そして、ここにいるみなさんは、本当のあなた自身を探す旅にも命を賭して共に行動されるとか。みなさんからお話を聞かせて頂いて、私もこの場所でそしてこの目で、その仲間達のギルドが結成される瞬間を拝見させて頂きたいと思い、無理を言ってお願いしました。絶望的な状況から立ち上がり、今こうやってこの場におられるキャスタリアさんのギルドなら、不可能を可能に出来るでしょう。以前、ここを訪れた王政錬金術師も同じことを言っておられました。…きっと、以前のキャスタリアさんでしょうが…私もその王政錬金術師の方に励まされ、賊の襲撃で疲弊するダンバートン露店街の復興に全力で協力してきました。その不可能を可能にする転機、それがこのギルド結成だと私は感じています。様々な困難が待ち受けているとは思いますが、あなた方だけが戦っているのではありません。他にも同じミレシアンギルドやエイリフ王国・そしてライミラク教団、さらにはイリアの民もいるのです。恐れず、前に進んで行かれることを願います」
クリステルは結成式を前に、キャスタリアに静かに語った。キャスタリアは瞑目していたが、
「司祭、おいらは選ばれたミレシアンかどうかはわかりません。でも、おいらは真実が知りたいし、目の前に困っている人がいれば見捨てるなんて事はできません!それに、おいらはミレシアンだけど一人のエリンの民です。神の名において・・・なんてことはおこがましいですし、今回の賊退治もカクテルバーが無料で使えるという下心あっての行動です。でも、結果として人助けになるならそれもありじゃないかな?と思って行動に移しただけの事です。でも、受けたからには全力でやり遂げるつもりです!」
「それでいいのです。昔のとあるトゥアハ・デ・ダナンは『人とは欲に手足が付いたものだ』と言っていたそうですが、まさにその通りだと思います。みなさんご存じでしょうが私だって、ここまで来るには色々とありましたから。堅苦しく考えず、まず目の前の困難に対処することが大事ですよ。欲があってこそ人は動く、無欲であれば動く事は無くなります。ポウォールを退治してエリンの安寧を求める、これも欲ではないでしょうか?欲が罪悪であると考えるのなら、それは悔いあらためるべきだと思います。欲は必要悪である、こう考えるべきだと思いますよ。動機が不純だ、などと思わずあなたが思う道を進む事は女神モリアンも望んでいると思いますよ。気になさらず、突き進まれる事を願います。それはお仲間さん達も思いは同じ。さぁ、キャスタリアさん・・・」
クリステルの後押しを受けて、キャスタリアは腰に下げていたライトニングワンドを高々と掲げた。それに呼応するかのようにジェラルディンもフェニックスファイアワンド、ヴァーリャはレザーロングボウ、リーローはブロードアックス、そしてマイツェルはタイダルシリンダーを掲げた。
「キャスタリアの名において、ここにギルドを結成する!ギルド名は『Division Bell』運命の鐘ギルドだよ!幾多の困難があろうとも、おいら達は必ず助け合って乗り越えてみせる!このエリンに、運命の鐘を鳴らそうじゃない!そして、本当のおいらを必ず探し出して、みんなと一緒に決着をつける!でも・・・その前に、カクテルバー確保だよ♪」
キャスタリアの最後の一言に全員が反応して大爆笑が巻き起こった。その光景を見ていたルイトガルトは無論、取材メモやスケッチに大忙しのヴァイマルも腹を抱えて笑いだし、クリステルも口元を押さえて笑っていた。

この瞬間、ギルド『Division Bell』が結成された。ギルドマスター・キャスタリア、サブマスター・ジェラルディンという構成である。そしてギルドが、神出鬼没ラビ爆盗団にどう挑むか・・・。上級サキュバスとは何者か?ダンバートン西に戦機が熟し始める・・・。
マビノギ小説 Passion Play 〜あるミレシアンの手記より〜 第7話
第7話 ダンバートン

「着いたよ、ダンバートンに・・・」
キャスタリアは感慨深げにダンバートンの街並みを眺めていた。ラッパ村でオストヴィントと会ってからというもの、何かにとりつかれたように自ら率先してダンバートンへ行く準備を急ピッチに進めて、ヴァーリャやジェラルディンを唖然とさせていたが、コウサイはそんなキャスタリアを温かく見守っていた。更に、コール村で新たな仲間・ジャイアントの女戦士・リーローも合流していよいよダンバートン行きにも拍車がかかってきた。リーローも各地を放浪して自らの腕を磨いていたのだが、ザルティン・ラスパ火山で黒ヒョウの群れと対峙し苦戦していた時、オストヴィントの助勢を借りて見事に撃破した経緯があり、そのオストヴィントからコール村にいるキャスタリア宛に荷物を届けてくれないかと言伝を頼まれたことから、コール村へ来たのであった。リーローはキャスタリアの人柄に惚れ込み、またヴァーリャ・ジェラルディンともすぐに打ち解け、キャスタリアの過去を聞いて思わずこの女戦士も涙してしまい、キャスタリアの為なら犬馬の労も厭わない!とオストヴィントゆずりの言葉でキャスタリア達に仲間に加わった、涙もろく情に熱い心優しいピシスの女戦士である。ちなみに、キャスタリアが受け取った荷物とはカリスウィザードスーツであった。荷物の中には手紙が入っており、
『すぐに着ないのはお前の性格から分かっている。これを一日でも早く着られるように、仲間達と力を合わせて励め!頑張っているお前に頑張れというのは、万死に値する。しかし、猪突猛進は慎め、慎め。仲間達とよく話し合い、何をすべきかを導き出すのだ。おのずと道は開かれる。道は無くなれば、また作ればいい。この言葉、忘れるべからず』
と書かれており、キャスタリアはその手紙を一読すると目を閉じていたが、自分の心を理解してくれているオストヴィントの優しさに、あふれる感涙をこらえるのが精一杯だった。
キャスタリア達はジェラルディンの妹・ルイトガルトがダンバートンで貸店舗を探している事に便乗して一緒にお店を探す事が決まり、キャスタリアの体調も長旅に耐えられる程に回復したことを見計らって、いよいよダンバートンに向かう事が決まったのだった。
 旅立ちの朝、コール村にはキャスタリア達を見送る村民達の姿があった。
「キャスタリアよ、いつでも戻ってくるがいい」
「ありがとう、コウサイ村長。これでお別れじゃないし、おいらの自分探しの中でここにも何度も足を運ぶと思うから・・・。さよならじゃなくて、行ってきますって言うね」
「うむうむ」
微笑みながら頷くコウサイ。
「キャスタリアさん、また戻ってきて下さいね・・・」
寂しそうに微笑むクシナに、
「クシナ、おいらはまた来るよ。ダンバートンに行っても、またここには帰ってくるから。ここはおいらにとっての第二の故郷だしさ。でも、あの苦いお薬湯は勘弁だよ」
苦笑するキャスタリアに、
「クシナ、遠慮することはないさ。キャッシーに毎週送りつけてくれてもいいんだぜ!」
ヴァーリャがそこに突っ込みを入れると、すかさずライトニングボルトの詠唱を始めるキャスタリア。
「ひぃ・・・もう言いません!」
その光景に一同がドッと笑う。
「キャスタリア、我意を張り過ぎるな。驕りは身を滅ぼす。ラッパ村の事を肝に銘じて、仲間達と共に助け合うのだ」
ヴォヴォカが言葉少なに、餞の言葉を贈る。
「うん、わかっているよ。おいら、ダンバートンに着いたらギルドを結成しようと思っているんだ。おいらには仲間がいるんだし、そのみんなとも相談してギルドを立ち上げようって話し合ったんだ。ギルドを結成することで他のギルドとの交流も増えるし、色々な事も分かってくると思うしさ」
「己の信じる道を進むがよい、キャスタリア。仲間達はお前と共にあるのだ。如何なる困難があろうと、絶望的な状況から這い上がってきたお主なら、必ず乗り越えられる。ヴォヴォカの言を借りるわけではないが、今は仲間がいるのだ。仲間を信じ、助け合うのじゃ」
コウサイが諭すようにいうと、決然とした表情で黙って頷くキャスタリア。そうして、キャスタリア達はコール村からダンバートンへ向けて旅立ったのだった。マナトンネルでケルラ港へ向かい、そこから船でケアン港へ。そこからバンホールを経由しダンバートンへと向かったのだが・・・。センマイへ通じるガイレフ三叉路でフィアードダンジョンと対峙しているジャイアントオーガとスケルトン兵士が率いるポウォールの集団を目撃し、肝を冷やしながらダンバートンへ向かった。圧倒的な数の敵は旅の途中で疲れきっているキャスタリア達にとって負ける戦いなのは確実と踏まえて、現実的に退避行動に移ったのだ。ただ、ポウォール支配下のフィアードダンジョンがポウォールの軍勢と対峙していた事に、キャスタリア達は一抹の不安をぬぐい去れなかった。もしや、フィアードが火種に戦いが始まるとなると。ダンバートンにも戦火が・・・。しかし、キャスタリア達はダンバートンを目の前にしてその不安も片隅に追いやられてしまった。念願のダンバートンへようやく到着したのだ。オストヴィントがキャスタリアに示した場所、ダンバートンへ・・・。
「ん〜と、ウチの妹とはペガサスの銅像前で待ち合わせしてたんやけどねぇ・・・」
ジェラルディンがキャスタリア達を待ち合わせ場所に向かおうと広場の南の通りを歩いていると、広場で露店を開いているミレシアン達に衝撃が走った。何者かがうずまき丘のクマの群れを調教して乱入させたのだ。広場は大パニックに陥り、買い物客達は我先にと逃げ出しにかかる。熊たちは咆哮をあげて我が物顔で広場を歩きまわっている。そこに、一人の勇気あるミレシアンの少年が熊たちに立ち向かったが、別の熊が背後から攻撃しかけ、猛烈な体当たりを食らわせて見事にそのミレシアンを吹っ飛ばした。そのミレシアンは吹き飛ばされてピクリとも動かない。気を失っているようだった。熊たちの背後から、数人の笑い声が聞こえる。数名のミレシアンがニヤニヤしながら熊たちを操っているようだった。
「許せない・・・絶対許せません!」
その光景を一部始終見たリーロー、完全に頭が血に上ってブロードアックスを手にしてゆっくりと熊たちに向かっていく。既にキャスタリア達の制止する言葉も耳に入っていない様子だった。
「リーロー!せめてここじゃなくて、北門か南門外で始末してあげて!」
キャスタリアの悲鳴にも似た声はどうにかリーローに届いたらしく、軽く頷いたのが見えた。リーローはまず全ての熊めがけて石をなげつけ、標的を自分に仕向けた。10匹ほどいる熊全てに石を投げつけると、自分の馬を呼び即座にダンバートン北門へ駆けだしていった。熊たちは獲物を逃がしはしまいと牙を剥いてリーローに向かっていく。その予想外の展開に焦りだしたのは熊を連れ込んだミレシアン達であった。突如現れたメイド服姿のジャイアントの女戦士が石を投げつけて全ての熊をダンバートン城外へ引っ張っていったのだ。彼らは慌てて追いかけようとするが、そんな彼らをキャスタリア達は見逃すはずはなかった。
「ふっふっふ〜、ヴァーリャ特製の超小型弓の出番だな!悪戯も度が過ぎると、モリアンじゃなくてネヴァンから天罰が落ちるって事しっかり教えてやんよ。イリア仕込みのお仕置きだべ〜」
ヴァーリャはそう言いながら、手のひらに入りそうな特製の弓で針を射る態勢に入った。その針には、何か塗ってあるようだった。
「ヴァーリャ、あれ?」
「だよん、キャッシー。ああいう連中は、ダンバートンのみんなにとっちめられる前に、ちっとばかし怖い思いをしてもらわなくちゃね」
「あはは、ええザマやわ。おバカどもにはええ薬やな!」
キャスタリア達はヴァーリャの射る様をニヤニヤしながら眺めている。熊出現の一報を受けてアスキン銀行ダンバートン支店長・オースティンは素早く指示を出し、露店主やミレシアン・トゥアハ・デ・ダナン達へ城壁の上に避難させていたこともあって、城壁の上から鈴なりになりながら遠巻きでその光景をみているミレシアンやトゥアハ・デ・ダナン達が唯一広場に残っているキャスタリア達と熊を連れ込んだミレシアンの一団の行動を見ていた。
「よしゃ、連射で決めてやる!」
ヴァーリャは言い終わる前に1本目を発射し、立て続けに針に何かを塗りそしてまた射る。プッ、プッと鉄製の小型弓の弦をしならせる。そのたびに、ミレシアン達は首筋や肩、太ももに何か刺さったかのような行動を見せるが、その途端崩れるように倒れ込みいびきをかいて寝始めた。
「よーし、ラストだ!」
最後の針を射ると、倒れ込んだミレシアン達の許へ向かうヴァーリャ。
「キャッシー、ジェラルディン!ばっちりだぜ!さすがコウサイ村長直伝だな!」
「ヴァーリャ、御苦労さま。ダンバートンに来ていきなり市場荒らしに遭遇するとは思わなかったけど、こいつらにはきついお仕置きをしてもらうといいよね。今はおいら達からきっつ〜いお仕置きの最中だけどね」
ぐーぐーいびきをかいて寝ているミレシアン達を見てほくそ笑むキャスタリア。
「コール村特製の深い眠りと恐ろしい幻覚を見せられる、子供たちへのお仕置き用の薬がここで役立つんやなぁ。世の為人の為って柄やないけど、こういうアホタレにはええ薬やわな!」
ジェラルディンがそう言うと、城壁上から拍手喝采が沸き起こった。今度はキャスタリア達が予想外の展開に焦り始めるが、リーローが満足そうな顔をして戻ってきた。
「キャスさん、熊たち全て始末しましたよ。ハーブとか色々落としたので店を荒らされた方達に分けてあげてもいいですか?」
「うん、そうしてあげて!ヴァーリャ、リーローと一緒に広場の片づけ手伝ってあげて。ついでに、あそこでのびちゃってる子も介抱してあげてね。おいら達はルイちゃんと会って、貸店舗の家主と話してくるから!」
「ルイちゃん?あぁ、姉貴の妹か・・・。OK、ここは俺達に任せな!」
キャスタリア達はヴァーリャ達にその場の始末を任せて、待ち合わせ場所の銅像に向かおうとするが、城壁上からジェラルディンを呼ぶ声が聞こえてくる。
「姉ちゃん達、メチャメチャやなぁ。あんな熊相手にようやらかすわ!でも、あいつら度々露店を荒らすんでミレシアンギルドに警備をしてもらってたんやけど、そん時はけぇへんでおらんようになったらすかさず来よって荒らしていくんやわ。おおきにやで〜」
まくし立てるその声の主は大急ぎで城壁を駆けおり、キャスタリア達の前に走ってきた。
「はぁはぁ・・・。ダンバートンへようおこし!ウチがルイトガルトや。あんじょうよろしくやで!ほな、さっそくオースティンさんトコいこか!ウチが目ぇ付けてた貸店舗がバーやったさかい、オースティンさんが腕ききにバーデンダーじゃないと店貸さへんゆーてるから・・・。姉ちゃんの手紙見て、キャスタリアさんの腕前やったらオースティンさんもイチコロやわ!」
ルイトガルトはキャスタリア達を会うなり更に一気にまくし立てる。その勢いに圧倒されて一言も言えないキャスタリア。
「キャッシー、妹はこないな調子やけど気にせんといてな。めっさせっかちやから・・・」
「ううん、大丈夫だよ。いきなり畳みかけられたからおいらも圧倒されちゃったけど・・・。なんだか条件が面白いよね!よーし、挨拶代わりのカクテルを名刺代わりに持って行こうっと!」
キャスタリアはそう言うと、広場から離れて本来の待ち合わせ場所の銅像前まで移動して、カクテル作りに入った。
「お、即興で作るん?」
ジェラルディンがキャスタリアのカクテル作りを楽しそうに眺めながら訊く。ルイトガルトも興味津津で見ている。
「うん!オースティンさんは仕事中みたいだから、ノンアルコールカクテルで勝負しようと思ってね!」
キャスタリアはラズベリーシロップとライムジュース、砂糖と氷を手慣れた手さばきでシェーカーに入れてシェークを始める。シャカシャカしている様は絵になるのか、ルイトガルトは飽きもせず見ている。やがてシェークが終わり、カクテルグラスに氷と共にシェーカーから注ぎこみ、ガイレフで摘んだ木苺を3つばかり浮かべた。
「よーし、完成!これをオースティンさんに持って行ってみよう!」
ニンマリ笑いながらキャスタリアはルイトガルトを促してアスキン銀行ダンバートン支店へと向かった。店内は先ほどの混乱がひと段落したせいか、再び銀行内は露店の許可証を発行してもらったり換金してもらったり、預金や出金などいつもの銀行内の情景に戻りつつあった。そんな中を悠々とすりぬけ、ルイトガルトは窓口の女性に一言二言話した。すると女性はキャスタリア達をカウンター脇へ通して、銀行の奥の部屋に通してくれた。そこは古ぼけたソファーとテーブルがおいてあり、壁には女神モリアンの肖像画が掛けられていた。
「なんかドキドキするなぁ・・・面接するみたいだよ」
キャスタリアが緊張している様を見て、ジェラルディンが思わずニヤリと笑う。
「あんた、変なトコで緊張するんやな。うちらは客やで!緊張してどないすんねんな!」
ジェラルディンがそう言い終わらないうちに、部屋の戸が開いて初老の人物が入ってきた。
「お待たせしましたね・・・。と、その前に。先程は熊退治、ご苦労様でした。いつもならミレシアンギルドが多数いるのですが、現在影世界のタラで大規模な掃討戦を実行しているらしく、多くのミレシアンギルドも招集をかけられて作戦に参加しているのですよ。熊を操った連中はそれを見越して、再びやってきたものでしょうが・・・いや、あなた方のお陰で助かりました」
オースティンはほっとした様子で感謝の言葉を言う。
「いえいえ、大したことはしてません。ただ、ああいう連中がのさばるのはどうしても許せないものですから・・・。と、これはおいらの名刺代わりに召し上がって頂けますか?」
キャスタリアは謙遜しつつ、先ほど作ったカクテルをオースティンに差し出す。
「ほぉ、カクテルですか・・・しかし・・・」
「心配ご無用。ノンアルコールに仕上げていますよ」
にっこり笑うキャスタリアの言葉を聞いて、安心してそのカクテルを飲み始めるオースティン。まずは口に含んでゆっくり味を確かめつつ喉に流し込み、その後一気に飲み干した。その様子を見て不敵に笑うキャスタリア。
「これは・・・ダミー・デージーですな」
「その通りです。デージーと見せかけてノンアルコールのデージーを作ってきました。デージーならスピリッツに甘酸味とソーダを入れたものですけど、お仕事をされているので・・・。いちいち自己紹介するより、カクテルの味で紹介した方がお酒好きの支店長さんなら話が早いと思いましてね」
キャスタリアの言葉の一言一言に頷いて見せるオースティン。
ジェラルディン・ルイトガルトの姉妹はこの会話に全く付いていけずただただ黙っていたが、脈ありというのは感じ取っていた。
「参りましたな、あなたのようなお客様は初めてです。あの貸店舗のバーは、いい腕前のバーテンダーがお店をやっていたのですが、突如として失踪してしまい店は閉店になってしまったのです。私もその店の常連で、出来るならあの店でまた美味しいお酒を飲んでみたいと思いまして、私財を投じて店を買い取り、腕のいいバーテンダーにお店をお任せしようと思っていた次第なのですが・・・、まさか名刺代わりにカクテルをお出しする方がいるとは思ってもいませんでした。この味なら、あの店をあなたにお任せしてもいいと思っています・・・が、私の依頼を受けて頂けないでしょうか?この依頼に成功したなら、家賃は無料としましょう」
「!!!!!」
家賃無料と聞いて、3人は色めきたった。
オースティンの依頼とは何なのか?千載一遇のチャンスをキャスタリア達は物に出来るのか?家賃無料を賭けた駆け引きが続く・・・。